2007年02月04日
▼ 関西うどん、だしの秘密
関東と関西のうどんを比較すると、大きく違うのは汁の色です。関東は底の見
えない濃い醤油色、関西は出汁色の澄んだ汁。関西のうどんの汁の色はとにかく
薄いのです。これは、関東が濃口醤油を使い、関西が薄口醤油を使うからです。
色が薄いだけではありません。関西うどんは、塩分も少なめなのです。関西う
どん1杯に含まれる塩分量はおよそ3グラムですが、関東のうどんの塩分量はお
よそ5グラム。これを見ると、関西うどんは、かなり賢い塩分量です。関西うど
んは、汁まで飲んでも塩分とりすぎの心配はなさそうです。
それでは、塩分が少ないのに、なぜあのような旨みが出るのでしょう。最後の
1滴まで美味い、体に優しい関西うどんの秘密は「昆布のだし」にあるのです。
大阪・中央区の名店「今井」では、最後までおつゆを飲んでもらうため、昆布
とカツオをだしに使って旨味をたくさん出す工夫をしています。そのため、昆布
を吟味して使っているそうです。
その昆布ですが、昔から、京都では「利尻昆布」、大阪では「羅臼昆布」を使
ってだしを取ります。どちらも幅が広いだし用の真昆布の仲間です。一方、関東
ではおでんや昆布巻にしても食べられる細身の「日高昆布」が多く使われていま
す。
東西の昆布の種類はうどんに、いったいどんな違いを生み出すのでしょうか。
北海道の利尻、羅臼、日高という代表的な昆布でそれぞれダシを取り、グルタ
ミン酸の含有量を比較してみました。そうすると、グルタミン酸含有量では、関
西勢に軍配があがりました。
グルタミン酸とは、代表的な旨味成分の一つ。昆布をはじめとする海藻類に最
も多く含まれています。昆布でだしを取るというのは、この旨味を抽出する作業
のことだったのです。つまり、昆布のグルタミン酸を利用しているのが関西うど
ん。グルタミン酸が多いと、味覚のマジックで塩分が少なくても十分にうま味を
感じるので、醤油はごく少なめでいいのです。
一方、関東のうどんは昆布から出るグルタミン酸が足りない分、醤油のグルタ
ミン酸で補っているのです。結果、旨味成分の量は同じになりますが、関束のう
どんは、塩分が多くなってしまいます。
関西うどんのもう一つのキーワードは「アルギン酸」です。アルギン酸とは、
海藻類に多く含まれる水溶性の食物繊維で、昆布の表面にぬるぬると出てくる物
質です。アルギン酸は、塩分の排泄を高めコレステロール値を低下させる作用が
あります。
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